「MT5とMT4、結局どう違うの?」
この疑問、多くの初心者が抱えています。
名前が似ていて、見た目もそっくり。でも実は、細かい部分で大きな違いがある。どちらを選ぶべきか迷いますよね。
今回は、MT5とMT4の違いを項目別に徹底比較します。時間足の種類、板情報の有無、テスター機能、対応銘柄...。それぞれの特徴を理解すれば、自分に合ったプラットフォームが見えてくるはずです。
そもそもMT4とMT5って何が違うの?
基本から確認しましょう。
どちらもロシアのMetaQuotes社が開発した取引プラットフォーム。MT4が2005年、MT5が2010年にリリースされました。
なぜ両方が存在するのか
普通、新しいバージョンが出れば古いものは廃れます。
でもMT4とMT5は違った。MT5がリリースされて15年近く経っても、MT4は根強い人気を保っています。
理由は「互換性がない」から。MT4用のツール(EAやインジケーター)は、MT5では動きません。長年蓄積された膨大なリソースがあり、簡単には移行できなかったんです。
結果として、両方が併存する異例の状況が続いています。
開発の方向性の違い
MT4はFX専用として設計されました。
一方、MT5は最初から「マルチアセット対応」を目指しています。FXだけでなく、株式、先物、CFDなど、あらゆる金融商品を一つのプラットフォームで取引する。これがMT5のコンセプトです。
この違いが、様々な機能の差につながっています。
時間足の種類を徹底比較
トレーダーにとって重要なポイントです。
MT4の時間足は9種類
MT4で使える時間足はこちら。
- 1分足(M1)
- 5分足(M5)
- 15分足(M15)
- 30分足(M30)
- 1時間足(H1)
- 4時間足(H4)
- 日足(D1)
- 週足(W1)
- 月足(MN)
基本的な時間足は網羅されています。多くのトレーダーにとって、これで十分。
MT5の時間足は21種類
MT5はかなり充実しています。
MT4にある9種類に加えて、以下が使えます。
分足
- 2分足(M2)
- 3分足(M3)
- 4分足(M4)
- 6分足(M6)
- 10分足(M10)
- 12分足(M12)
- 20分足(M20)
時間足
- 2時間足(H2)
- 3時間足(H3)
- 6時間足(H6)
- 8時間足(H8)
- 12時間足(H12)
細かい時間足が豊富です。
どちらが有利か?
取引スタイル次第です。
MT4で十分な人 デイトレードやスイングトレードが中心なら、MT4の9種類で問題ありません。主要な時間足は全て揃っています。
MT5が有利な人 スキャルピングで細かく分析したい。2分足や3分足を使いたい。複数の時間軸を細かく見比べたい。こういう人にはMT5が便利です。
ただし、21種類あっても実際に全部使うことは稀。結局、よく使うのは数種類に絞られます。
初心者のうちは、時間足の多さはそれほど重要ではありません。
板情報(マーケットデプス)の有無
これは大きな違いです。
MT4には板情報がない
MT4では、板情報を見ることができません。
板情報とは、どの価格にどれだけの注文が入っているかを示すデータ。株式取引では一般的ですが、FXでは見られないことが多い。
MT4もその例外ではありません。
MT5は板情報に対応
MT5では板情報が見られます。
「ツールボックス」ウィンドウの「マーケットデプス」タブで確認可能。買い注文と売り注文の状況が視覚化されます。
板情報で何がわかるのか
大口の注文が入っている価格帯がわかります。大量の買い注文があれば、その価格は「サポートライン」として機能しやすい。逆に大量の売り注文があれば「レジスタンス」になりやすい。
エントリーやエグジットのポイントを、より精密に判断できるわけです。
ただし注意点がある
全てのFX会社が板情報を提供しているわけではありません。
MT5を使っていても、会社によっては板情報が見られないことがあります。利用する際は、事前に確認が必要です。
また、FXの板情報は株式ほど信頼性が高くない場合も。市場の透明性の違いによるものです。
それでも、ないよりは遥かに有用な情報です。
ストラテジーテスター(バックテスト機能)の違い
自動売買や取引戦略を検証する機能。重要な違いがあります。
MT4のストラテジーテスター
基本的な機能は揃っています。
過去のデータを使って、EAやストラテジーをテスト可能。視覚的にチャートを見ながら、どのように取引したかを確認できます。
最適化機能もあります。複数のパラメーターを試して、最も良い成績を出す設定を探せます。
ただし、処理速度はそれほど速くありません。大量のテストを行うと、かなり時間がかかります。
MT5のストラテジーテスターは大幅に進化
MT5のテスターは別物と言っていいレベル。
処理速度が圧倒的に速い
同じテストをMT4とMT5で実行すると、MT5は数倍から数十倍速いことがあります。
最適化でパラメーターの組み合わせを数千パターン試す場合、この差は決定的。MT4なら数時間かかるところ、MT5なら数十分で終わることも。
マルチカレンシーテストが可能
複数の通貨ペアを同時にテストできます。
例えば、ドル円、ユーロドル、ポンド円を同時に取引するEAの場合。MT5ならリアルな環境でテストできます。
MT4では基本的に1通貨ペアずつのテスト。複数通貨対応EAの検証が困難でした。
クラウドネットワークに対応
MT5は「MQL5 Cloud Network」に接続できます。
世界中のコンピューターの処理能力を借りて、テストを高速化する仕組み。有料ですが、さらに劇的に時間を短縮できます。
ビジュアルモードが滑らか
テスト中のチャートの動きが、よりスムーズになりました。視覚的にエントリー・エグジットポイントを確認しやすい。
どちらが有利か
自動売買を本格的にやるなら、MT5が圧倒的に有利です。
テスト速度の差は、開発効率に直結します。何度も検証を繰り返す必要があるため、速さは正義。
裁量トレードがメインで、バックテストをあまりしない人なら、どちらでも構いません。
対応銘柄の違い
これも重要なポイントです。
MT4はFX中心
MT4は基本的にFX取引用として設計されました。
もちろん、FX会社によってはCFD(金、原油、株価指数など)も取引できます。でも、メインはあくまでFX。
株式や先物の取引には、あまり向いていません。
MT5はマルチアセット対応
MT5は最初から多様な金融商品を想定しています。
取引可能な商品
- FX(外国為替)
- 株式
- 先物
- オプション
- CFD
- 債券
- 仮想通貨
これらを全て一つのプラットフォームで管理できます。
複数の口座・資産クラスを統合
FX口座と株式口座を別々に管理する必要がありません。MT5で全て一元管理できるわけです。
ポートフォリオ全体を俯瞰しやすく、資金管理も効率的。
どちらが有利か
FXだけを取引するなら、MT4で十分。
将来的に株式や先物にも手を広げたいなら、MT5が便利です。プラットフォームを乗り換える必要がありません。
投資の幅を広げる可能性がある人は、最初からMT5を選んでおくのも一つの手です。
注文方式とポジション管理の違い
意外と知られていない重要な違い。
MT4はヘッジング方式
同じ通貨ペアで、買いポジションと売りポジションを同時に持てます。
例えば、ドル円の買いポジションと売りポジションを両方保有可能。それぞれが独立して存在します。
日本のトレーダーには馴染みのある方式。多くの人がこのスタイルに慣れています。
MT5は基本的にネッティング方式
同じ通貨ペアで反対のポジションを持つと、相殺されます。
ドル円を1ロット買った後、1ロット売れば、ポジションはゼロに。差額のみが損益として確定します。
これは海外の証券市場で一般的な方式。株式や先物と同じ扱いです。
ただし設定で変更可能
MT5も口座タイプによってはヘッジングモードを選択できるようになりました。
日本のFX会社の多くは、ヘッジングモードを提供しています。この点での不便さは、以前より軽減されています。
どちらが使いやすいか
慣れの問題です。
日本でFX経験がある人は、ヘッジング方式の方がしっくりくるかもしれません。
ただし、ネッティング方式の方がシンプルで管理しやすいという意見も。複雑なポジション管理を避けられます。
どちらにせよ、最初に決めたら変更は難しいので、事前に確認しておきましょう。
プログラミング言語の違い
EA開発者には重要なポイント。
MT4はMQL4
MT4用のプログラミング言語はMQL4。
比較的シンプルで、初心者でも学びやすい。C言語に似た構文です。
長年使われてきたため、サンプルコードやライブラリが豊富。困ったときの情報も見つけやすい。
MT5はMQL5
MT5用はMQL5。MQL4とは互換性がありません。
MQL4より高機能。オブジェクト指向プログラミングに対応し、より複雑なロジックを実装できます。
処理速度もMQL5の方が速い。大量の計算を行うEAでは、パフォーマンスの差が顕著に表れます。
学習コストは高め
MQL5の方が多機能な分、習得には時間がかかります。
初めてEA開発に挑戦する人には、MQL4の方が取っつきやすいかもしれません。
既存のEAは使えない
これが大きな問題。
MT4用のEAは、そのままではMT5で動きません。書き直す必要があります。
市販されているEAの多くは、まだMT4版のみ。MT5版がない製品も多数あります。
使いたいEAがある場合、それがどちらに対応しているか確認が必須です。
インジケーターとツールの充実度
利用できるツールの数も大きく違います。
MT4は圧倒的なリソース
15年以上の歴史があるMT4。
世界中の開発者が、無数のカスタムインジケーターやEAを作ってきました。無料のものも有料のものも、選択肢は膨大です。
日本語の情報も豊富。使い方の解説、トラブルシューティング、トレード手法の紹介。何でも見つかります。
MT5は発展途上
MT5用のツールも増えてきましたが、まだMT4には及びません。
特に日本語対応のツールは限定的。英語の情報を読む必要がある場面も多い。
ただし、状況は改善中です。年々、MT5対応のツールは増加しています。
どちらが有利か
既存のツールを活用したいなら、MT4が圧倒的に有利。
特に特定のインジケーターやEAを使いたい場合、それがMT4版しかなければ、選択の余地はありません。
自分でツールを開発する予定がある、または最新の技術を使いたいなら、MT5も魅力的です。
処理速度と動作の軽快さ
日々の使用感に影響します。
MT5の方が高速
プログラミング言語の進化により、MT5は動作が軽快です。
チャートの描画、インジケーターの計算、注文の処理。全てがスムーズ。
複数のチャートを同時に開いても、動作が重くなりにくい。PCのスペックが高くなくても、快適に使えます。
MT4でも実用上は問題なし
とはいえ、MT4が極端に遅いわけではありません。
普通の使い方なら、ストレスを感じることは少ないでしょう。よほど複雑な処理をしない限り、実用上の問題はありません。
速度の差を実感するのは、大量のバックテストや、多数のインジケーターを同時に使用する場合です。
経済カレンダーとニュース機能
情報収集のしやすさも違います。
MT5は統合されている
MT5には経済カレンダーが標準搭載。
プラットフォーム内で、世界中の経済指標発表スケジュールを確認できます。重要度も表示され、どの指標に注目すべきか一目瞭然。
ニュースフィードも統合されています。リアルタイムで為替に影響するニュースをチェック可能。
MT4は外部サイトを利用
MT4には標準で経済カレンダーがありません。
FX会社のウェブサイトや、外部の経済カレンダーサイトを別途確認する必要があります。
ひと手間かかりますが、慣れれば問題ありません。
結局どちらを選ぶべきか?
ここまで見てきた違いを踏まえて、判断しましょう。
MT4を選ぶべき人
- FX取引のみを行う予定
- 豊富なカスタムEAやインジケーターを使いたい
- 使いたい特定のツールがMT4版のみ
- 日本語の情報が多い方が安心
- ヘッジング取引に慣れている
MT5を選ぶべき人
- 将来的に株式や先物も取引したい
- 最新の技術を使いたい
- 細かい時間足(2分足、3分足など)を使いたい
- バックテストを高速で行いたい
- 板情報を活用したい
- 長期的な視点で選びたい
迷ったら両方試す
幸い、どちらもデモ口座で無料で試せます。
実際に触ってみるのが一番。自分にとって使いやすいのはどちらか、肌で感じてください。
MT4とMT5、両方の口座を持つことも可能です。用途によって使い分けるのも一つの方法。
まとめ:自分に合ったプラットフォームを選ぼう
MT4とMT5、それぞれに長所と短所があります。
MT4は成熟したプラットフォーム。豊富なリソース、安定性、情報の多さが魅力。
MT5は次世代プラットフォーム。高速、多機能、将来性が強み。
どちらが「正解」というわけではありません。あなたの取引スタイル、目的、将来の計画によって、最適な選択は変わります。
大切なのは、それぞれの特徴を理解した上で決めること。そして、選んだツールを使いこなす努力をすること。
プラットフォームは手段に過ぎません。重要なのは、それを使って利益を上げること。
まずはデモで試してみましょう。実際に触れば、どちらが自分に合っているか見えてくるはずです。あなたに最適な取引環境を見つけて、FXトレーダーとしての一歩を踏み出してください。
