MT4について知ったあなた。次に気になるのは「MT5」ではありませんか?
「5」があるなら、そっちの方が新しくて良いんじゃないの?
そう思いますよね。でも、実はそう単純な話でもないんです。
今回は、MT5の特徴、MT4との違い、メリット・デメリット、そして実際の始め方まで詳しく解説します。MT4とMT5、どちらを選ぶべきか。その答えも見えてくるはずです。
MT5とは何か?基本を押さえよう
MT5は「MetaTrader 5(メタトレーダー5)」の略称です。
MT4の開発元であるMetaQuotes社が、2010年にリリースした次世代プラットフォーム。MT4の後継として登場しました。
なぜMT4とMT5が併存しているのか
普通、新しいバージョンが出れば古いものは廃れます。
でも、MT4とMT5は違いました。MT5がリリースされて10年以上経っても、多くのトレーダーがMT4を使い続けています。
理由は「互換性がない」から。MT4用のEA(自動売買プログラム)やインジケーターは、MT5では動きません。逆もまた然り。
長年蓄積されたMT4のリソースが膨大すぎて、簡単には移行できなかったんです。開発会社はMT4のサポート終了を目指していましたが、市場の要望により継続せざるを得ない状況が続いています。
MT5はFXだけじゃない
ここが大きな違いです。
MT4はFX専用に作られました。一方、MT5は最初から株式、先物、CFDなど、様々な金融商品に対応するよう設計されています。
総合的な取引プラットフォームを目指した、野心的なプロジェクトだったわけです。
MT4とMT5の違いを徹底比較
両者の具体的な違いを見ていきましょう。
時間足の種類
これは明確な差があります。
MT4は9種類の時間足。1分、5分、15分、30分、1時間、4時間、日足、週足、月足です。
MT5は21種類。2分足、3分足、6分足、10分足、12分足など、かなり細かく設定できます。2時間足、3時間足、6時間足、8時間足、12時間足も使えます。
短期トレードで細かい分析をしたい人には、MT5の方が便利かもしれません。
板情報(気配値)の表示
MT5の大きなアドバンテージです。
板情報とは、どの価格にどれだけの注文が入っているかを示すもの。株式取引では一般的ですが、FXでは見られないことが多いです。
MT5では、この板情報を確認できます。市場の需給バランスを視覚的に把握できるため、より精密な分析が可能になります。
MT4にはこの機能がありません。
経済指標カレンダー
MT5には標準で搭載されています。
プラットフォーム内で直接、経済指標の発表予定を確認可能。わざわざ外部サイトを開く必要がありません。
MT4では、別途カレンダーサイトを確認する必要があります。
内蔵インジケーターの数
MT5の方が多いです。
MT4には約30種類の標準インジケーター。MT5には約40種類以上。新しい分析ツールも追加されています。
ただし、カスタムインジケーターの数はMT4が圧倒的。世界中の開発者が長年作り続けてきたリソースは、簡単には追いつけません。
処理速度とパフォーマンス
MT5の方が高速です。
プログラミング言語も進化しています。MT4はMQL4、MT5はMQL5。MQL5の方が処理速度が速く、複雑な計算も効率的に行えます。
バックテストの速度も段違い。大量のデータを検証する場合、MT5なら時間を大幅に短縮できます。
ヘッジ機能
大きな違いの一つです。
MT4では「ヘッジング」が可能。同じ通貨ペアで、買いポジションと売りポジションを同時に持てます。
MT5は基本的に「ネッティング」方式。同じ通貨ペアで反対のポジションを持つと、相殺されます。ただし、MT5でも設定によりヘッジングモードを選択できるようになりました。
日本のトレーダーはヘッジングに慣れているため、この点でMT4を好む人が多いです。
注文の種類
MT5の方が豊富です。
MT4は基本的な注文タイプをカバー。MT5はそれに加えて、さらに細かい注文設定が可能。特に、株式や先物取引で使われる注文タイプに対応しています。
FXだけを取引するなら、MT4の注文機能で十分。でも、他の商品も取引するなら、MT5の方が便利です。
MT5の主な機能を詳しく見る
MT5独自の機能、または強化された機能を紹介します。
高度なチャート機能
MT4より洗練されています。
グラフィカルオブジェクトの種類が増えました。44種類から100種類以上に。より細かい分析や、見やすいチャートの作成が可能です。
チャートのカスタマイズ性も向上。配色やレイアウトの選択肢が増え、自分好みの画面を作りやすくなっています。
経済カレンダーの統合
これは本当に便利です。
プラットフォーム内で、世界中の経済指標発表スケジュールを確認できます。重要度も表示されるため、どの指標に注目すべきか一目瞭然。
指標発表の直前には通知も受け取れます。うっかり忘れてポジションを持ったまま、ということが防げます。
マーケットデプス(板情報)
先ほども触れましたが、これは画期的です。
どの価格帯にどれだけの注文があるか視覚化されます。大口の注文が入っている価格帯は、サポート・レジスタンスとして機能しやすい。
この情報を使えば、エントリーやエグジットのタイミングをより精密に計れます。
ただし、全てのFX会社がこの機能に対応しているわけではありません。利用する会社によって異なります。
改善されたストラテジーテスター
バックテストの機能が大幅に強化されました。
複数通貨ペアの同時テストが可能。マルチカレンシーEAのテストに便利です。
ビジュアルモードも改善され、テスト中のチャートがより滑らかに動きます。どのようにエントリー・エグジットしているか、視覚的に確認しやすくなりました。
最適化機能も高速化。膨大なパラメーターの組み合わせを試す際、MT4より遥かに短時間で完了します。
MQL5コミュニティとの連携
プラットフォーム内から、直接MQL5コミュニティにアクセスできます。
インジケーターやEAを探してダウンロード。全てMT5の中で完結。わざわざブラウザを開く必要がありません。
有料・無料の様々なツールが揃っています。レビューや評価も確認できるため、質の高いツールを見つけやすい。
アラートと通知機能の強化
より柔軟な設定が可能になりました。
プッシュ通知にも対応。スマホアプリと連携すれば、PCから離れていても重要な価格到達を知らせてくれます。
メール通知、画面上のポップアップ、音声アラート。複数の方法を組み合わせて設定できます。
MT5のメリットとは
具体的な利点を整理しましょう。
将来性がある
これは重要なポイント。
MetaQuotes社が今後注力するのはMT5です。新機能の追加、バグ修正、セキュリティアップデート。全てMT5が優先されます。
MT4は事実上、メンテナンスモード。大きな進化は期待できません。
長期的に見れば、MT5を選ぶ方が賢明かもしれません。
動作が軽快
最新のプログラミング技術を採用しているため、動作が速い。
チャートの切り替え、インジケーターの計算、注文の処理。全てがスムーズです。
複数のチャートを同時に開いても、動作が重くなりにくい。PCのスペックが高くなくても、快適に使えます。
多様な金融商品に対応
FXだけでなく、株式、先物、CFDなど幅広く取引できます。
一つのプラットフォームで全てを管理できるのは便利。複数のツールを使い分ける必要がありません。
投資の幅を広げたい人には、大きなメリットです。
詳細な取引履歴
レポート機能が強化されています。
過去の取引を様々な角度から分析可能。勝率、損益率、最大ドローダウン、プロフィットファクター...。詳細なデータが自動的に算出されます。
自分の取引傾向を客観的に把握できるため、改善点が見つけやすくなります。
MT5のデメリットも知っておこう
良いことばかりではありません。
カスタムリソースが少ない
これが最大のネック。
MT4は15年以上の歴史があります。その間に蓄積されたEAやインジケーターは膨大。無料・有料含め、選択肢が圧倒的に多い。
MT5も増えてきていますが、まだMT4には及びません。特定のツールを使いたい場合、MT4版しかないことがあります。
情報が相対的に少ない
検索すると、MT4の情報の方が多く見つかります。
トラブル時の解決策、使い方のチュートリアル、トレード手法の解説。MT4関連の情報が豊富です。
MT5の情報も増えてはいますが、日本語の情報はまだ限定的。英語を読めないと、困ることがあるかもしれません。
対応FX会社が限られる
日本国内で見ると、MT4対応の会社の方が多い。
MT5にも対応している会社は増えていますが、選択肢はやや限られます。スプレッドや取引条件を重視すると、希望の会社がMT5に対応していないこともあります。
MT5での取引の始め方
実際にMT5を使い始める手順を説明します。
ステップ1:MT5対応のFX会社を選ぶ
まずはここから。
日本国内では、OANDA Japan、外為ファイネスト、アヴァトレード・ジャパンなどがMT5に対応しています。(2026年1月時点)
スプレッド、最小取引単位、サポート体制などを比較して選びましょう。デモ口座が使えるかも重要なポイントです。
ステップ2:口座を開設する
選んだFX会社で口座開設手続きを進めます。
本人確認書類の提出が必要。マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどを準備してください。
最近はオンラインで完結する会社が多く、早ければ当日中に口座開設が完了します。
ステップ3:MT5をダウンロード
口座開設が完了したら、MT5をダウンロードします。
FX会社のウェブサイトに、ダウンロードリンクがあります。Windows版、Mac版、Linux版が用意されていることが多いです。
スマホ版の場合
App StoreまたはGoogle Playで「MetaTrader 5」を検索。公式アプリをインストールします。
ステップ4:インストールと初期設定
ダウンロードしたファイルを実行すれば、インストールが始まります。
画面の指示に従って進めるだけ。難しい操作はありません。数分で完了します。
インストール後、MT5を起動。「ファイル」→「取引口座にログイン」を選択します。
FX会社から送られてきたログインID、パスワード、サーバー名を入力。これで口座に接続されます。
ステップ5:デモ口座で練習
いきなり実資金で取引するのは危険です。
まずはデモ口座で十分に練習しましょう。MT5の操作に慣れる。各機能を試してみる。
MT4と微妙に操作が違う部分があります。特にMT4経験者は、その違いに戸惑うかもしれません。デモで確認しておくことが大切です。
ステップ6:チャート設定をカスタマイズ
自分に合った取引環境を整えます。
チャートを開く
「ファイル」→「新規チャート」から通貨ペアを選択。または、気配値ウィンドウから通貨ペアをチャートにドラッグ&ドロップ。
時間足を変更
ツールバーから選択。MT5は選択肢が多いので、自分のトレードスタイルに合ったものを探しましょう。
インジケーターを追加
「挿入」→「インディケータ」から選択。パラメーターも細かく調整できます。
設定が決まったら、テンプレートとして保存しておくと便利です。
ステップ7:実際に注文してみる
準備が整ったら、実際に取引してみましょう。
成行注文
- ツールバーの「新規注文」をクリック
- 銘柄(通貨ペア)を選択
- 取引量を入力
- 「成行売り」または「成行買い」をクリック
指値・逆指値注文
- 注文ウィンドウで「注文タイプ」を選択
- 希望価格と取引量を入力
- 必要に応じて、ストップロス(損切り)やテイクプロフィット(利益確定)の価格を設定
- 「発注」をクリック
注文が約定すると、ポジションが「ツールボックス」ウィンドウの「取引」タブに表示されます。
MT4とMT5、どちらを選ぶべきか
結局、どっちがいいの?そう思いますよね。
答えは「目的による」です。
MT4を選ぶべき人
- FXのみを取引する予定
- 豊富なカスタムEAやインジケーターを使いたい
- 日本語の情報が多い方が安心
- ヘッジングを活用したい
MT5を選ぶべき人
- 将来的に株式や先物も取引したい
- 最新の技術を使いたい
- より詳細な時間足を使いたい
- 処理速度の速さを重視
初心者の方なら、情報量の多さからMT4をおすすめします。ただし、将来性を考えるならMT5も十分に魅力的。
両方試してみて、自分に合う方を選ぶのが一番です。幸い、どちらもデモ口座で無料で試せます。
まとめ:MT5は次世代プラットフォーム
MT5は、確実に進化した取引ツールです。
処理速度、機能の豊富さ、将来性。どれをとってもMT4を上回っています。
ただし、現時点では「MT4の牙城を完全に崩すには至っていない」というのが正直なところ。蓄積されたリソースの差は、依然として大きい。
でも、状況は徐々に変わっています。MT5のシェアは年々増加中。対応FX会社も増え、カスタムツールも充実してきました。
これからFXを始めるなら、MT5も有力な選択肢。むしろ、長期的に見ればMT5の方が良いかもしれません。
どちらを選ぶにせよ、大切なのはツールを使いこなすこと。そして、適切なリスク管理のもとで取引すること。
まずはデモ口座で両方試してみてください。実際に触ってみれば、自分に合うのはどちらか見えてくるはずです。新しい取引体験が、あなたを待っています。
